嵐山のインスタ映えスポット・渡月橋の南側にある法輪寺(ほうりんじ)
「十三まいり」の参詣、通称「嵯峨の虚空蔵さん」とも呼ばれ、京都人に親しまれている歴史のあるお寺です。
法輪寺は、和銅6年(713年)に元明天皇の勅願により行基菩薩が創建したのが始まりだそうです。
平安時代中期の有名な随筆、春はあけぼの・・・で始まる「枕草子」には京都の代表的なお寺として記されており、平安時代末期の「今昔物語」では、ご本尊のご利益が描かれ、「平家物語」には悲恋の舞台として登場する、超有名なお寺です。
こちらの本尊にある虚空蔵菩薩といえば、知恵授け、厄払い、技芸の上達、福徳を授けるなどのご利益がある仏さま。
毎年3月10日に行われる、こちらの「芸能上達祈願祭」では、芸の上達や知恵授けを願う祈願法要と伝統的な演舞の奉納の舞を見ることができます。
この時期は境内に梅の花が上品に咲いていて、何とも京都のお寺らしい風情のある佇まいでした。
敷地内には多宝塔や電電宮などもあり、石段からは嵐山らしい景色が一望できます。
季節ごとに咲く花や野山の風景を楽しむことができるので、観光がてら足を運んでみてください。
ちなみに、本堂の両脇には寅と牛が鎮座していて、寅年と丑年生まれの人には特にご利益があるそうですよ。
京都の伝統行事、「十三まいり」とは・・・
法輪寺の虚空蔵菩薩さまに知恵を授けてもらい、厄を払って福徳を授けてもらう「十三まいり」という伝統的な行事が、京都では古くから行われています。
十三まいりは、3月13日から5月13日までの期間に大人になるための通過儀礼として、数えで13歳になる子供が法輪寺に参詣し、お参りの帰りに渡月橋を渡りきるまでは、決して後ろを振り返ってはいけない、という習わしがあります。
振り返ってしまうと、せっかく授けてもらった知恵や福をなくしてしまうのだとか。
期間中は着物などを着ておめかしをした、まだあどけない子供達が真剣な表情で渡月橋を歩いている様子がしばしば見受けられ、つい応援したくなる微笑ましい景色が見られます。