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祇王寺 苔

2019.06.26

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右京区嵯峨の祇王寺(ぎおうじ)の苔や新緑が綺麗です。

嵐山の人気スポット、渡月橋や竹林がある嵯峨野エリアで、美しい苔が有名なお寺「祇王寺 」
鎌倉時代の軍記物語「平家物語」にも登場する、真言宗大覚寺派の仏教寺院です。


平家物語の中で語られる祇王寺にまつわる悲恋のストーリーを少しご紹介します。


時の権力者である平清盛に寵愛されていた白拍子(しらびょうし※主に男装の遊女)である”祇王”という名の舞女が、屋敷を与えられたり金銭的に支えてもらいながら、深く愛され満ち足りた生活を送っていました。

そこに、新進気鋭の白拍子である”仏(仏御前)”という名の白拍子が自ら売り込みにきましたが、清盛に見向きもされず、不憫に思った祇王は同じ白拍子という立場もあって、清盛に進言します。

情けをかけられ舞を披露することが叶った仏御前ですが、予想以上に美しい舞に心を奪われた清盛は仏御前をそばに置くといい、祇王は捨てられ援助も途絶えてしまいました。

しばらくして、可愛い仏御前の為に、と言って再び清盛に呼び出され踊ることになった祇王ですが、無碍な扱いに耐え切れずに屋敷を後にして死のうとします。しかし母の必死の説得により、妹を含めた母子3人は出家し往生院の尼寺(後の祇王寺)で尼になります。

その後、親切にしてくれた祇王たちが世を儚んで寂れた尼寺に入った事を聞いた仏御前は後を追って出家し、往生院のを訪ねました。
遺恨を水に流して赦し、迎え入れた祇王3人と仏御前の4人は、朝も夜も熱心に念仏を唱え、往生の本懐を遂げました。



この時代ならではの、立場の弱い女性達の切なく悲しい物語ですね。


祇王寺の草庵には、大日如来、祇王、母の刀自、妹の祇女、仏御前、平清盛の像が安置されていて、
墓地の入口には、祇王母子3人の宝筐印塔(ほうきょういんとう)というお墓が残っています。


写真の通り、青々とした竹や新緑、ひっそりと建てられた庵と灯篭、苔が静謐な空気を醸し出し、独特の風情が感じられます。

梅雨の時期には瑞々しい苔や新緑が見られ、嵐山に訪れる観光客も少しは減るので、ゆっくりまわる事ができるのでオススメです。